前回からの続きとして、太平洋戦争の失敗の本質として、大本営政府連絡会議を上げる。
この会議で問題になったのは、海軍が戦争を開始出来るか否かである。
すなわち、この会議では、一切太平洋戦争の戦争設計が練られていないのである。
即ち、太平洋戦争の一つの問題は、戦争設計が一切存在していないのである。
短期決戦か長期戦か、何れにしてもアメリカが対日講話を受け入れる条件があるが、この条件を一切想定していないのである。
また、アメリカに対日和平を行うための仲介国の設定も大事であるが、この想定もされていないのである。
この太平洋戦争の政府連絡会議は、短期決戦・長期戦何れの想定も行わず、仲介国の想定もしていないのである。
この会議で行われているのは開戦するかしないかだけである。
この太平洋戦争と日露戦争を比較すると、同じ民族が、これほど違う戦を行う例は、非常に珍しいと言える。
日露戦争では、アメリカを仲介国とする為に戦争が始まる前にセオドア・ルーズベルトとハーバードの同窓である金子をアメリカに派遣しているのである。
日露戦争における日本政府は、確固としたストーリーをもって戦いに臨んだのに対して、太平洋戦争を開始する日本政府はなにも考えていないのである。
このなにも考えていないと言うのが、太平洋戦争の決定的な所である。
また孫子は”敵を知り、己を知れば百戦危うからずや”と言ったが、この太平洋戦争開戦時の日本政府はアメリカに関して、一切理解していないのである。
アメリカは日本が手を出さない場合、アメリカから手を出すか否かという想定であるが、これは現在のアメリカと違い、当時ルーズベルトは3選次の公約として、”戦争をしない”事を公約に掲げて、3選目を迎えたのである。
これは何を意味するのかと言えば、アメリカからは絶対に手を出さない事を意味しているのである。
これさえ理解できていれば、太平洋戦争は回避出来たのが、当時の外務大臣の東郷茂徳は余りにもバカなため、アメリカの選挙公約の意味を一切理解できなかったのである。
この東郷茂徳のバカ振りは、中国(古代も現在も変わらず)では9族死罪にアタイする罪である。
今でも政権与党にとって、公約とは虚言の別名であるためか、マスコミ各社の記者(特に政治部)は、ルーズベルトの行動が理解できないので、70年前の東郷茂徳と同程度のバカな無教養でなければ、外交官と政治部記者にはなれないようである。
前にTBSでこの大本営政府連絡会議を扱ったとき、鳥越氏は、何故太平洋戦争を防げなかったのかとコメントしているが、ここにTBS並びに鳥越氏(出身母体の毎日新聞や現在の活躍の舞台であるTV朝日)にとって、選挙公約に関する意味が今だによく分かっていないことを意味している。
この意味において、戦前も戦後も含めて日本には、選挙と選挙公約の意味が民主主義国家として適切に機能しているとは言えない。
日露戦争において、日本政府は戦争設計を行って戦ったが、太平洋戦争においては、まじめな会議を重ねているが、しかし、その全てが無意味な会議であったと言える。
そして、最後に会議をセイするのは、声の大きい人の意見という、会議を開くだけ時間の無駄という事になる。
大本営政府連絡会議の問題点
1、アメリカが戦争を開始する条件
2、戦争設計の欠如
3、短期決戦の場合にアメリカはどの程度の敗退で日本との講話のテーブルに付くのか
4、長期戦の場合の戦争をどれだけ続けるのか、補給計画に関して。
5、3及び4の場合の仲介国の選定
6、日本の敗戦の条件
この6点に関して、大本営政府連絡会議は何一つ決めることが出来なかった。
そもそも日本はアメリカと戦争する計画そのものが存在しなかったと言って良い。
海軍は、対米戦争の為に艦隊を整備してきたが、この海軍に関しても、ありもしないと心の底から考えて、艦隊整備を実施してきたのである。
この証拠は、海軍のアメリカ太平洋艦隊との戦争計画に現れている。
フィリピン沖に終結したアメリカ太平洋艦隊は、北上し東シナ海でアメリカ太平洋艦隊と艦隊決戦を行うという計画であるが、この艦隊決戦の戦場と補給路線が一致しているのである。
戦場のど真ん中に補給路を持つなどは、まず絶対にあり得ない事である。
普通、補給路は戦場の後方にあるのだが、日本海軍の補給路は艦隊の前方に存在しているのである。また石油等の備蓄もゼロであるため、石油の確保から行わなければならないが、この確保エリアは通常アメリカ艦隊の進行方向の逆になければならないが、日本軍が石油確保に目指したのは、艦隊決戦のエリアに石油確保を目指しているため、この石油確保地帯には、当初想定自体から米軍がうようよいるエリアであるため、海軍の米艦隊との決戦とは、当初から補給計画と艦隊決戦は、同一海域で行われるが、米軍はスポーツの様に補給路を攻撃しないと考えていたとしか考えられない。
即ち、海軍の米艦隊との艦隊決戦とはあたかもスポーツの様に行われるモノであるといえる。
この事からも、海軍のアメリカ太平洋艦隊の戦いは、机上の空論以下の産物であると言える。
このことからも、海軍には戦略思想や戦術思想は一切存在せず、趣味としての艦隊整備を実施してきたと言える。
この戦略思想と戦術思想のなさが、次に触れる真珠湾攻撃の失敗につながることになる。
日本が本来取るべき戦略
1、ハワイ島の石油備蓄基地をはじめとする軍港の機能破壊→米国のアジアへの橋頭ホの廃棄
2、絶対国防圏の確保
である。
これは現在も応用可能である。アメリカが何故世界戦略が出来るのか。それは日本を橋頭ホとしているからである。
もし、テロリストが攻略すべきは日本とハワイでテロ事件を起こせば、アメリカは太平洋の道をなくすことになる。
太平洋の道の損失は、アメリカの中東への道は大西洋サイドしかなくなり、これは事実上アメリカの作戦放棄にしかならない。
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