09年2月1日のサンデープロジェクトで雇用の問題が話し合われていたが、経営者サイドの二人の説は、完全な誤りである。
まず、正社員化は労働者の為の制度というよりも、経営者サイドのメリットが高い。
また、同一賃金同一労働の場合は、若年労働者の失業率が上昇する。
正社員化の経営者のメリットは、最大のメリットは経営者が無能でも会社の危機が最小限度に押さえられる。
経営効率の上昇は、経営者の思索よりも、正社員の経営効率化活動に重きが置かれる。
トヨタ自動車のQC活動は、この典型であると言える。QC活動の活発化は、正社員の日々の努力で支えられる活動である。これがアメリカの様な仕組みを採用する場合、経営者がシステム設計能力が劣る場合、得られる結果はかなり劣悪なモノになるが、下手なシステムを経営者が作ったとしても、長期雇用される正社員の利益と経営者の利益は合致するため、正社員は日々の経営効率化活動を行い、自分の仕事を越えて他の人々の仕事のフォローを行う事になるが、そのような活動も期待できなくなるため、経営者の能力に左右される要素が多大に増えていくことになるため、経営者幹部層に対して今以上の能力を求めることになる。
この正社員化とは、戦前の日本陸軍の制度の会社機構への移築である。
同一賃金同一労働では、経験値が左右されるため、欧州同様に若年層の失業率が上昇することになる。現在のシステムでは、丁稚時代は賃金は安く押さえていき、ある程度の技能を身につけた職人になると給与を上げて行くことになっているため、年齢を重ねた人々の解雇を実施していくことになる。
もし、同一賃金同一労働の場合は、丁稚の首切りが横行し、職人の地位の安定化に寄与することになるが、現在日本が発展を遂げていった、機械化や省力化の実施は難しいものになる事になる。
戦後の日本の肯定的側面は、長期雇用における正社員がいるため、オイルショックや工場の機械化に対応できていった。
正社員の削減を行うことは、労働組合は現在の各企業別組合ではなく、産別組合になり、アメリカのUAWによる問題点を抱えることになったり、機械化が難しい事態になることになる。
ホワイトカラーエグゼプションや成果主義は、日本の組織がアメリカの組織の様にレゴブロック化された組織である場合は、各人の職務分担が明確に区分けされ、その職務以外の命令を拒否され現在の様な曖昧な社員管理はできなくなる。
ホワイトカラーエグゼプションにしても成果主義にしても曖昧な管理システムのまま採用した場合、利益よりも遙かに巨大な害しか発生しないだろう。
今言われている、成果主義やホワイトカラーエグゼプションは、単純に正社員の賃金下落措置しか生むことはない。
これは、ごますりのうまい社員が得をするシステムの採用にしかならないであろう。
そして個人の成績は恣意的な状況に左右されることになる。
即ち、上司の好悪が社員の成績になることになる。
また、外資系金融機関で発生した問題は、コンプライアンス上の問題点を発生させた。
即ち、ここ10年間くらいで採用されたアメリカ型のシステムのほとんど全ては、外資系企業を儲けさせるために採用された制度である。
日本型・欧州型・米国型とそれぞれ特徴を持った制度である。行ってはいけないのは形だけ真似る事である。
日本型から欧米型に移行するのならば、形だけではなく、心も米国型を採用すべきである。
これは訳のわからない話にしかならない。
組織変更せず、米国の制度だけ取り入れても機能不全にしかならない。
これはある意味、制度としてドイツ参謀本部の制度を取り入れながら、ドイツ参謀本部の肝である所を取り入れず、自身のオリジナル方式を採用し、世界最高のドイツ参謀本部の制度を採用したから日本陸軍は強いのだといった戦前の陸軍高官と変わらない思考である。
最近のコメント